AGAは男性型脱毛症の略ですが、そのAGAにも様々な種類があります。
まとめてAGAと言っていますが、薄毛の種類によって原因や治療法が異なります。
自分がどの種類のAGAであるのかを知ることで治療方法を決めることができます。
ここでは薄毛の種類や原因を詳しく解説していこうと思います。
AGA(男性型脱毛症)
AGAの原因となるのは、男性ホルモンです。
ジヒドロテストステロン(DHT)と言う男性ホルモンの影響で起こります。
男性ホルモンにはテストステロンと言う物質がありますが、このテストステロンが血液によって頭皮の5αリダクターゼと言う酵素と結合します。
これが原因となり、強力な男性ホルモンであるジヒドロテストステロンへと変化します。
このジヒドロテストステロンは髪の毛が抜けるようにを指令を出してしまうので、抜け毛が増え髪の毛が薄くなります。
正常時であればヘアサイクルが、早期→中期→成長期→後期→退行期→休止期→脱毛と言うサイクルとなります。
しかし、AGAとなってしまう場合はこのヘアサイクルが崩れてしまいます。
成長期が短く、毛を太く成長させることができず、脱毛してしまうのです。
そもそも髪の毛が抜けないように太く成長させていますが、これらがないことによって薄毛となってしまうのです。
AGAは年齢が関係なく、年配の方から若い方にも起こりうる病気なので、最近抜け毛が増えたなと感じた場合には早期に治療を始めることをオススメします。
AGAの症状
AGAの症状には前から髪の毛が抜けてしまうパターンとつむじなどの頭のてっぺんから髪の毛が抜けてしまうパターンがあります。
主な症状は第一段階から第七段階まであります。
AGAの症状を表したものでハルミトン分類というものがあります。
段階ごとの症状を知ることで自分が今どこの段階にいるのかを理解することができます。
第一段階
第一段階では、本人の自覚症状がない初期段階となります。
主に額の端から始まり、M字型の端から抜け毛が始まり、徐々に後退していく段階です。
初期段階となるため、周囲からも気付かれることのない状態となります。
第二段階
第二段階では、額の範囲が広くなっていることに気付くことのできる段階です。
また、頭頂部の薄さにも気付くことができます。
後退しているM字型に切れ込みが入っているような状態になります。
まだ、AGAであることの自覚がない方もいます。
第三段階
第三段階では第二段階よりもさらに額が広くなっていきます。
この頃には頭頂部も明らかに薄くなっているため、AGAと認識するレベルです。
前頭部のボリュームも減ってしまうため、髪の毛が薄くなったというのが分かりやすい状態となります。
第四段階
第四段階では、額と頭頂部のどちらも頭皮が見える髪の毛が抜けている状態となります。
頭頂部もO字型に髪の毛が抜け落ち、部分的に頭皮が見えるレベルです。
全体的な髪の毛の量も落ちてくるため、スカスカになっています。
第五段階
第五段階になるとM字の生え際は後退し続け、頭頂部へと繋がり始めます。
M字の原型がないほど薄くなる、後退している場合もあります。
両サイドや後頭部は髪の毛が残っているため、中心が繋がりかけている段階となります。
第六段階
第六段階では、額と頭頂部が繋がっている段階です。
まだ、かろうじて髪の毛が薄く生えてはいますが、頭皮が見えるほど薄くなっているため、繋がっている状態となります。
額のM字はなくなり、完全に頭頂部と一体化しています。
第七段階
第七段階では、両サイドと後頭部以外の髪の毛が抜けている状態となります。
かろうじて生えていた、側頭部の髪の毛も抜け落ち、中心部においては頭皮が完全に見えている状態です。
この状態になると完全にAGAであると言えます。
AGAの治療方法
AGAの治療方法は主に薬を使用したものとなります。
ジヒドロテストステロンの生成を抑え、発毛を促す効果のある治療薬を使用します。
治療薬には、内服薬と外用薬があり、内服薬の場合には頭皮全体に成分を行きわたらせることができ、外用薬では部分的に集中して成分を行きわたらせることができます。
内服薬では、プロペシアやフィナステリドなどといった薬を使用し、外用薬ではミノキシジルなどの薬を使用します。
その他にも、頭皮に直接注射を打つことで発毛を促したり、植毛やヘアタトゥーなどを行うことで治療することもあります。
脂漏性皮膚炎による脱毛症
脂漏性皮膚炎によって脱毛症が起こってしまう場合もあります。
脂漏性皮膚炎は過剰に脂が分泌されることによってフケなどが発生し、発疹が起こる病気です。
髪の毛がべたつく、抜けるなどの症状を伴います。
一般的なものでは激しい脱毛とはなりませんが、症状が悪化してしまうことで、脱毛範囲が広がり髪の毛がなくなってしまいます。
脂の分泌が多い箇所では、抜けた後に髪の毛が生えてくることも難しくなり、治療が必要となります。
脂漏性皮膚炎は再発リスクが高く、慢性的な病気となるため、注意が必要です。
脂漏性皮膚炎による脱毛症の原因
脂漏性皮膚炎には大きく分けて4つの原因があります。
1つ目は、皮脂の過剰分泌です。
こまめにシャンプーをすると頭皮が必要とする皮脂を流してしまい、乾燥を防ぐために体内から皮脂を分泌しようとします。
これが原因となり、皮脂を過剰に分泌してしまうのです。
2つ目は、頭皮の汚れです。
フケやほこりなどの日常生活でもついてしまう頭皮の汚れをしっかりと落とさないことが原因で皮脂が増えてしまいます。
また、シャンプーなどの残りかすが洗い流されずに残っていると、毛穴に汚れがたまってしまい、細菌が増える原因となります。
3つ目は生活習慣です。
ストレスやホルモンバランスの影響で、皮脂が過剰に分泌してしまうこともあります。
また、偏った食生活によってビタミン不足になることも原因となります。
最後4つ目の原因は真菌です。
カビの一種とされる真菌が増殖してしまうことで発症します
カビが原因となる場合には、再発や慢性化してしまう恐れもあるので、しっかりと治療することが大切です。
脂漏性皮膚炎による脱毛症の症状
脂漏性皮膚炎は主に、皮脂が過剰に分泌されてしまうことで抜け毛が増え、脱毛症となってしまいます。
頭皮がべたつくことでフケや赤みなどが起こり、慢性化してしまうと炎症が起こります。
炎症が原因となり、頭皮の環境が悪く髪の毛が抜けやすい状態となってしまうのです。
皮脂が過剰に分泌されると、ニキビ、フケ、発疹、かさぶたなどが起こります。
症状として一番最初に気付きやすいのは、頭皮のべたつきです。
しっかりとシャンプーなどで洗い流してもべたつきが取れない、髪の毛がベタベタするなどの症状から気付くことが多いようです。
また、脂漏性皮膚炎は頭皮の脱毛も起こりますが、頭皮だけでなく身体中に症状が起こる病気です。
そのため、腕や首、顔などに症状が起こることで、気付くこともあります。
脂漏性皮膚炎による脱毛症の治療方法
脂漏性皮膚炎による脱毛症の治療方法は、主にステロイド剤を使用して行います。
頭皮の場合には液体のローションなどを使用して治療します、
しかし、ステロイド剤は効果が強く現れるお薬となるため、長期での使用ができません。
そのため、ステロイド剤を使用する時にはできるだけ効果の弱いものから使用するようにして下さい。
その他にも、抗真菌剤が含まれているシャンプーなども治療に使用されます。
皮膚を清潔にすることは治療になる以外にも、慢性化を防ぐことや、再発防止にも繋がります。
日常生活からできることとしては、真菌が発生しやすい環境を避けることです。
免疫力が弱くなってしまうと、真菌が発生しやすくなってしまいます。
生活習慣や食生活の見直しをすることで再発を軽減することができます。
びまん性脱毛症
びまん性脱毛症は女性に多いとされる病気ですが、男性にも起こりうる病気です。
部分的な脱毛が起こるのではなく、髪の毛全体のボリュームがなくなってしまいます。
これは、髪の毛の一本一本が細くなるため、髪の毛の量が少なくなります。
髪の毛全体のボリュームがなくなってしまう症状は女性に多く起こり、男性の場合には頭頂部から脱毛していきます。
びまん性脱毛症の原因
びまん性脱毛症の原因を特定するのは難しいとされています。
主な原因は、ホルモンバランスが崩れることと、年齢やヘアサイクルの休止期です。
ホルモンバランスは、男性ホルモンと女性ホルモンのバランスが崩れてしまい起こります。
特に、年齢的な問題もありますが、ダイエットやストレスが原因でホルモンバランスが崩れてしまうことがあります。
ホルモンバランスは比較的女性が乱れやすいため、びまん性脱毛症は女性に多いとされています。
また、ヘアサイクルに異常が起こることも原因となります。
一定期間のヘアサイクルによって髪の毛は成長していきますが、異常が起こることで一本一本の髪の毛が伸びる、太くなることができなくなります。
ヘアサイクルの異常もストレスや過度なダイエットが原因となります。
その他にも、医療行為や治療薬が原因でヘアサイクルが異常を起こすこともあります。
びまん性脱毛症の症状
びまん性脱毛症の症状は性別によって異なります。
女性の場合には、髪の毛の一本一本が細くなってしまうので、全体的なボリュームがなくなり、薄くなります。
髪の毛が薄くなってしまうことで、スカスカになってしまい、部分的に頭皮が見えてしまうこともあります。
特に女性の場合には、見た目的な症状が現れるため、精神的なストレスとなることもあります。
男性の場合には、頭頂部から部分的に脱毛してしまいます。
女性の場合にも男性の場合にも髪の毛が抜けてしまうという症状が起こります。
全体的なボリュームが少なくなってしまうことによって、髪の毛が抜け落ちていることが分かります。
びまん性脱毛症の治療方法
びまん性脱毛症の場合には原因によって治療法を変えていきます。
まずは原因に対しての治療を行い、髪の毛が抜けてしまうことに対しても治療を行います。
その中でも、生活習慣の改善や、ホルモンバランスの調整、その他には育毛剤などを使用することで髪の毛を生やす治療を行います。
生活習慣の改善では、ストレスを与えないような生活を心がけるとともに、バランスの良い食事を摂ること、しっかりとした睡眠時間の確保などがあります。
生活の基盤となる食事や睡眠は質の良いものをとれるようにして下さい。
ホルモンバランスは多くが過度なダイエットやストレスが原因となるので、体重コントロールやストレスの軽減を図ります。
また、お薬を使用してホルモンバランスを一定に保つこともできます。
その他には、ミノキシジル外用液などを使用して発毛を促すこともあります。
部分的に脱毛が起こっている場合には、外用液を使用することで髪の毛が抜けてしまった部分に対して効果的に発毛を促します。
まとめ
脱毛症といっても原因によっては様々な種類のものがあります。
AGAは男性の脱毛症として有名ですが、男性だけでなく女性も脱毛症は起こります。
また、病気が原因となって脱毛症が起こることもあります。
自分はどのタイプに属しているのか、脱毛症の原因は何なのかをしっかりと見極めることが重要です。
種類によっては治療法も異なるため、髪の毛が抜けてきたなと感じた場合には、その他にどのような変化があるのかをチェックしておきましょう。